日本オランダ徒手療法協会

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肩痛と負荷量の秘密の関係教えます

2018.10.01

From:長島 将太

@姪浜のスタバより

 

「もう手術せんでもいいぐらい良くなっちゃった(苦笑)」

 

それは、空模様が夏空から秋空へと変わる9月上旬のこと。

 

いつものように活気溢れるリハビリ室に少し美人のクラークさんが処方箋を届けてくれた。

(クラークさんは、院内の必要書類を担当部署に運んできてくれる院内の郵便屋さん!)

 

美人クラーク「新患お願いしまーす!」

 

今回の新患は、少し高齢の腱板断裂患者さんのようだ。

ふと処方箋を見ると、いつもと何かが違う。

 

長島「ん?手術予定がまだ2週間先なんだけど…」

  「これ、何かの間違いじゃ…?」

 

普段、当院では手術前日に患者さんが入院してくることが多いんですよね。

でも、今回は普段の処方の出方とは違ったんですよね。

 

早速、主治医に確認してみると、、

「痛みが強くて日常生活にも支障が出ているし、一人暮らしなんだよね」との事。

 

なるほど。

珍しいパターンでの入院だったんですね。

 

この時は、この患者さんを通して素晴らしい気づきを得る事が出来るなんて全く予想もしていなかったんです。

# 痛くてどうにもならない肩

主治医が言っていたように、「夜間痛が強くて眠れない」「動かすたびに痛みがある」「瞬間的な痛みが耐え辛い」など、いかにも炎症が強い状態を表すような訴えばかり、、

 

話を聞くと、どうやら転倒時に手をついて肩を痛めたらしいんです。

 

いわゆる外傷性ってやつですね。

よくいう「痛めたきっかけあり」の患者さんだった訳です。

 

話を聞く限り、損傷のきっかけからは2週間以上は経っているんですけど、なかなか痛みが取れなかったらしいんです。

 

話をさらに掘り下げて聞くと、、、

本人からこんな発言があったんです。

 

「痛かばってん、一人暮らしやけん自分で全部せにゃいかんやろ?」

「だけん、痛いながら頑張って生活しよたったい」

「そしたら、もっと痛くなって夜もより疼くようになってしまったとよ。」

 

これガッツリ福岡の方言が入っているので解説すると、、、

 

訳)

「痛かったけれど、独居だから自分で全部しなくちゃいけないんだよね。」

「だから、痛いながら生活してたんです。」

「そしたら、もっと痛くなってしまったんですよ。」

 

これで皆さんに通じますかね(笑)

 

こんな訴えをする患者さんって皆さん、経験あると思うんです。

 

特に外来で通院されている方であれば、よく聞く話じゃないでしょうか。

 

#負荷量のコントロール

「痛くても使わないといけない生活環境がそこにはある…」

 

「使わない方が痛みがマシになると思うんだけど、仕事があるから…」

 

様々な理由がありますが、結果として患者さんは使っちゃってるんですよね。

 

本来であれば、この方も外来通院のはずなんですが「一人暮らし」という背景もあって早めに入院されたことで劇的な回復をしたんですね。

 

それは、なぜか?

 

入院した事で損傷した組織への「負荷量」を意図的にコントロールすることが出来たから炎症が落ち着いたんですね。

 

もっと言えば、、、

 

食事の準備や、皿洗い、洗濯などの家事をやらなくても生活できる環境になった

 

=組織の治癒過程を阻害する要因であった「日常生活上の負荷量」を調整できた

 

=オーバーユースの状態から抜け出す事ができた

 

本当ならば否が応でも生活しなければいけない状況では、なかなか局所組織の損傷ダメージは中々軽減せず、痛みが長引いてしまいます。

 

もし、家事などを負担してくれる家族がいれば話は別ですが、今回の場合は残念ながら一人暮らしだったんですね。その為、日に日に痛みは強くなっていく一方。

 

どんどん負のスパイラルに陥っていた訳です。

 

もう耐えられないということで入院に。

しかし、この「入院」が功を奏して、自分である程度の生活は痛みなく送れるようになったんです。

 

正直、ここまでの変化が出るとは思わなかったんですね。

 

今回の事で学んだことは、、、

 

今回の患者さんのようにしっかり日常生活の負荷量をコントロール出来れば

きちんと治癒過程に沿って痛みが落ち着いていくという事です。

 

もし、外来でなかなか痛みが引かない患者さんがいたとしたら。

もしかすると負荷量のコントロールがまだ足りないかもしれません。

 

そんな時は、もっと思い切って使用を制限してみては如何でしょうか?

 

治癒過程を阻害してまう「負荷量」が実は問題を長引かせているのかもしれませんよ。

 

PS

結局、この患者さんは手術を回避出来たんですよね。

「不幸中の幸い」とはまさにこの事ですね。

 


この記事を書いた人

長島 将太

長島 将太

理学療法士。JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。

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