日本オランダ徒手療法協会

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誤った筋トレ処方の行方

2018.09.27

From:長島 将太 

@秘密のスタバより

 

「パパ見てーーー」

 

そう言いながら、私の元に息子のリクが駆け寄ってきた。

手には先週イオンで買った小さなオモチャの望遠鏡(100均ですけどね 笑)

 

きっと遠いものが凄く近くに見えた衝撃を教えてくれようとしてるのかな?

なんて息子の気づきを期待しながら話を聞いてみると。

 

息子からは予想外の言葉が、、、

 

息子のリク

「パパ、これって凄いねー」

「だって、ぜーんぶ小さく見えるんだよ。お外にいる人もみんなアリさんみたいに見えるん

 だよ。パパも見て見てーーー」

 

長島

「・・・・そっちからみたんかーい」って思わず息子にツッコみましたね(笑)

 

やはり子供の視点や気づきは予想できないですね。

 

私の中では望遠鏡は遠くの物や景色を見るものだったので、逆に覗く事ってほとんど考えた事無かったんですよね。小さく見える事は知っていたけど、息子のような感じ方はしていなかった。感受性が下がっていたんですね。

 

このように、視点を切り替える事で感じ方が変わる経験って臨床場面でも多くあると思います。

 

例えば、一生懸命に関節可動域を変えようと、制限因子ばかり着目していたけど、反対にインナー強化した後の方が可動域が変わったとか。

 

痛みをどうにか取りたくて、一生懸命に局所の治療をしていたけど、実は原因は腰からくる関連痛だったとか。

 

一つの視点に偏ってしまうと思った結果が出ないなんてことありますよね。分かってはいるんだけど、この視点を違う角度に置き換える事って結構難しかったりすんですよね。

 

かく言う私も、同じように同じ視点、思考に偏ってしまいがちだったんです。

今回はそんな視点の切り替えが必要だった後輩に纏わるエピソードを紹介しますね。

#筋強化の壁にブチ当たった後輩

ACL損傷患者のスポーツ復帰には各関節の可動域改善は勿論のこと、術後に萎縮した筋力回復。さらにパフォーマンスアップの為に必要な様々な動きづくりは超必須ですよね。

 

ですが、動きづくりの前提条件が揃っていなければ「再発/再受傷」してしまう可能性が高くなります。その為、筋力強化はこの前提条件の中でも非常にキーになってくる訳なんですね。

 

しかし、後輩はこの大事なキーで躓いてしまったんですね。

 

それは、何か?

 

そうです。

自分の担当患者が思ったように筋肉がつかなかったのです。

 

もっと言えば、「筋力が出ない」「筋肥大しない(いわゆる周径差がある)」状態です。

ちゃんと自重から、フリーウエイトまで指導して、◯回×◯セットまで規定していたけど思うような結果が出ない。

 

後輩は凄く焦っていました。(いや、全然焦らんでいいやん…って思ってましたけど 笑)

 

よくよく話を聞いて見ると、後輩は惜しかったんですね。

 

全然間違っていなかったんだけど。

少しばかり筋力をアップさせる為の必要条件の要素が欠けていたんですよね。

 

この条件が揃わなければ、効率的に筋力がつかないんですよね。

 

#筋力をつける為の条件(超回復理論)

それは、、、

「適度な刺激」×「適度な栄養」×「適度な休息」が絶対的に必要不可欠になってきます。

 

エッ?これだけって思いましたよね(笑)

でも、この条件の一つでも欠ければ、筋力が付きづらくなります。

例えば、「適度な刺激」が不足していれば鍛えたい筋肉に十分な筋疲労を起こせないですし、反対に過度な場合は翌日に強い筋肉痛にも見舞われるでしょう。

 

ほとんどの方は、ここまではよくやっている事なんですが

その後が実は非常に大事なんですね。

 

筋肉の場合、適切な負荷をかけると筋疲労なり、微細損傷が生じ、筋肉の抵抗力が一度下がります。つまり一度筋力が下がってしまいますよね。

 

その後に、組織回復を促すタンパク質やアミノ酸を補給するなどの「適度な栄養」に加え

損傷組織の治癒過程を阻害しないように「適度な休息」をとる事で、一度下がった筋肉の抵抗力も以前よりさらに強化されるんですよね。

 

しかし、これらの条件を無視してガンガントレーニングしてしまうと…

最悪な場合、過度なオーバーユースになり筋力低下してしまう場合だってあるのです。

 

今回の後輩の場合、「適度な栄養」×「適度な休息」の設定が曖昧だったんですよね。

 

特にトレーニングセット間の休息時間の設定やトレーニング直後のプロテイン補給のタイミング。週のトレーニングプログラム設定など。

 

そして、そのトレーニングの目的が…

筋肥大なのか?

筋持久力なのか?

最大筋力なのか?

収縮スピードなのか?

 

一体、どの目的に合わせたトレーニングなのかを明確にさせてトレーニングを一緒に再考していったんですね。

 

そして2週間後、後輩から報告を受けました。

この報告は言うまでもなく、患者の目標達成に一歩近づけたとの報告だったんですね。

 

でも、後輩にはそこに満足して欲しくなくて「これはまだ入口部分だと言うことを忘れないでね」って伝えると、、、

 

「マジかーーー」って言う顔してた事が今でも忘れられません(笑)

 

今回のように、患者さんの筋強化は意外と見落としがちな部分が多く、現場では「謎の10回ルール」があるぐらい軽視されている事かもしれません。

 

ですが、今回の筋強化の為の前提条件を整えることだけでも効果は違ってくると思います。皆さんの筋力強化プログラムに、今回のエッセンスを取り入れてみては如何でしょうか。

 

PS

この条件が本当かどうか自分の身体を使って試して見てください。

自分で検証し、患者さんに応用してみるともっと活用方法を見いだせるかもしれません。

 

PPS

ちなみに後輩にも同じように体験させました(笑)

 


この記事を書いた人

長島 将太

長島 将太

理学療法士。JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。

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