日本オランダ徒手療法協会

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インナー強化は3kg未満!?

2018.09.03

From:長島 将太

@恵比寿の喫茶店より

 

今日は珍しくスタバではなく、喫茶店で作業をしている。

 

コーヒーの香り。

ソファの柔らかな座り心地。

落ち着いた店内。

常連だと思われる年配のお客達。

 

そして、

味のあるマスターが入れてくれるコーヒー

 

いつもと違う雰囲気。

うん。凄く良い。

 

ただ一つを除いては、、、、

 

それは、値段。

 

普段よく行く某コーヒーショップは一杯400円程度

一方、今回の喫茶店は1200円〜

 

そうです。約3倍の値段。

 

少し作業をしようと思ったぐらいの感覚で店内へ入ったもんだから

正直、値段を見て焦った(笑)。

 

普段、リーズナブルなお値段に慣れていただけに少し感覚がズレてしまっている。

 

でも、「こんな時ぐらいしか経験出来ないよな!」と思えるのが自分の持ち味。

どんな環境でも前向きに考えれるのは、親に感謝したいぐらい役立っている。

 

そんな訳で1500円のコーヒーを注文。

そして、作業していて気づいたんだけど。

 

いつもより作業が捗る。捗る。。。捗る

よく言う「ゾーンに入った感覚」なのかな。

 

恐らくこれは、この喫茶店のおかげだと思うんだよね。

確かに値段は通常の3倍だが、、、

 

音楽のセレクト、コーヒーの味、マスターの人柄。そして、素晴らしい雰囲気。

「落ち着いた店内」とはまさにこんな雰囲気だろう。

 

今回は普段と違った環境に身を置くことで、いつもの環境からは見えてこない

素晴らしい気づきを得ることが出来た。

 

さて、私たちも治療をしていて、ふとこんな風に感じることはないだろうか?

「あれ? なんか似たような治療ばかりになっている」と。

 

似たようなトレーニング。似たようなアプローチ。似たような言葉かけ。

 

このように毎回同じ思考になってしまうと視点の切替が上手くいかない場合がある。

 

だからこそ、普段の治療にも常々「疑問」を持たなければ、同じ思考で止まってしまう。

 

まさに、「茹でガエル状態」だ。

でも、みんな茹でガエル状態になりたくてなっている訳ではない。

 

今回は私が陥った「茹でガエル伝説」を紹介しよう。。

 

#トレーニング神話??

私はよく臨床でスポーツ障害や肩疾患の患者さんを対応することが多いんだけど。

 

若い頃、こんな思い込みで失敗した事がある。

 

それは、、、

 

インナートレーニング=イエローセラバンド(チューブトレーニング)だと思っていた事。

 

チューブトレーニングと言えば、

よくオーバーヘッドアスリートやスポーツ障害に携わっている人であれば誰もが一度、いや何度も指導した事があるゴールデンスタンダードのトレーニング方法ですよね。

 

その頃の私は、チューブでのトレーニングを行えばインナー強化が出来ているものだと思い込んでいたんですよね。

 

だから、たくさん教えました。

 

野球少年にもチューブ。

 

バレー少女にもチューブ。

 

肩疾患の患者さんにもチューブ。

 

アーティストにもチューブ(ここ笑うところです。。。)

 

でも、なかなかインナーが強くならない。

本当に悩みましたね。

 

だって、チューブトレーニングはインナー強化に効果的だと言われている。

さらにインナー強化には「2.3キロ以下」と文献にも書いてありましたから!!!!

 

ですが、このトレーニングには大きな落とし穴があったんです。

それは、、、

 

#肝心なのは、負荷量ではない

昔の私は、インナートレーニング=3キロ(厳密には2.3キロ)以下で行うことが大事だと思っていたんですね。

 

でも、肝心なのは「負荷設定」では無かったんです。

 

じゃあ、何が肝心なのか?

 

それは「代償動作の出ない運動」だったんですよね。

 

当たり前じゃないかーーーーー!!!って怒られそうですが、これってよく勘違いされているんですよね。

 

チューブトレーニング=腱板強化ってね。

確かに間違いではないんだけど、間違いではないんだけれど勘違いを起こしてしまうような内容。

 

そもそもこのトレーニングの目的は「腱板を強化すること」ですよね。

もっと言えば、「棘上筋や棘下筋、小円筋、肩甲下筋を収縮させてること」が目的なので

肩甲骨に対して、上腕骨が動くことが条件なんです。

 

でも、当時の私は代償動作を見抜けなかったんですね。

どちらかと言うと見てなかった(苦笑)

 

ずっとやり方に拘っていたんですよね。

このぐらいの角度で、この負荷量で、、、、強化出来ますから!!ってな感じで(泣)

 

こんな経験、皆さんにはありませんか???

 

このような勘違いって肩のインナートレーニングだけでなく

体幹トレーニングにも当てはまるんですよね。

 

例えば、、、

 

お腹のインナーが効いてない=ドローイン

 

肩のインナーが効いていない=チューブトレーニング

 

首のインナーが効いていない=首のインナー????

 

このようにトレーニング方法やトレーニング手段が先行してしまいやすい。

それは、なぜか???

 

恐らく「サイズの原理」を知らないからではないでしょうか???

 

#「サイズの原理」という考え方

サイズの原理とは、「小さな負荷には小さな筋肉が、大きな負荷には大きな筋肉が適宜対応する」という身体機能の原理原則です。

 

つまり、私の過ちの原因は「肩のインナーの状態に負荷量が合ってない」

言わば「サイズの原理」を無視していたからだったんですよね。

 

だから代償動作が出てしまいアウター優位となる。

 

結果、小さい筋肉であるインナー(腱板)は強化されず。

 

代償動作が強化され、関節周りの大きい筋肉も強化されてしまい。関節周りの柔軟性は低下するという負の連鎖に追い込まれていたんです。

 

ですが、このサイズの原理を知って以降

インナートレーニング時の負荷設定は〇〇キロではなく

 

その人の代償動作を見極めながら黄色のセラバンドを使ったり

青色のバンドを使ったりと野球やバレーなどの肩にかかる負荷量を考えながら、復帰まで治療したんです。

 

だから、インナートレーニングには黄色のセラバンドの他に

「ソフトなメディシンボール」

「うちわ」

「ボディーブレード」なども使っていきました。

(大投手ランディージョンソンんも使っていたやつです!!知ってる人にしか分からんやろな 笑)

 

エッと思われるかもしれないんですが、

この理論を元に考えると、特にびっくりすることではないんですよね。

 

そもそも競技では肩に大きな負担が掛かっているじゃないですか?

 

球速150キロのストレート。

 

あらゆるコースに打ち分けるアタッカー。

 

水の抵抗を力強くかき分けるクロール。

 

少なからず黄色のセラバンドで強化したぐらいでは、筋肉の「抵抗力」はついてこないんですよね。

 

だから、サイズの原理に沿って「代償動作の出ない負荷設定」を念頭にトレーニング指導を行うようになった。そしたら、以前よりも、意図が明確で、きちんと目的に沿ったトレーニングが出来るようになってきたんですよね。

 

私のように思うように狙ったインナーがトレーニング出来ていないと感じている方は、是非その動作をよく観察して見てください。

 

もしかすると負荷設定が合っておらず、思いがけない代償動作を行なっている可能性があるかもしれませんね。

 

PS

1500円のコーヒーはエチオピア産の豆。

 

PPS

臨床あるあるに陥っているセラピストはご注意を!!

すでに茹で上がっているかもしれません(笑)


この記事を書いた人

長島 将太

長島 将太

理学療法士。JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。

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