日本オランダ徒手療法協会

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やらない勇気

2018.08.17

From:長島 将太 姪浜のスタバより

先日の出来事。私が自宅の書斎(と言っても机と本棚があるだけの部屋だが、、、)で仕事に取り掛かろうとした時だった。

 

エアコンがよく効いたリビングから、なにやら娘と妻の声が聞こえてきた。

 

妻「やるの?やらないの?」

 「はっきりしなさい!」

 

娘「やりたいけど、友達と遊ぶ約束しちゃたとよー(困)」

 

どうも娘が妻との「お菓子を作る約束」、友達との「プールに行く約束」をブッキングしてしまったらしい。娘は両方したい思いがあるらしく、、、

 

娘「じゃあ、プール行った後で、お菓子作りしよ!」

 

といった具合で、自分本位で全部スケジュールを組むもんだから、妻は少しずつボルテージが上がっていっている。

 

妻「どっちかにした方がいいんじゃない?」

 

娘「えー全部今日したい!!」

 

長島(の心の声)in 書斎

「娘よ。それ以上、わがまま言うとパパに飛び火するから、どっちかにしようよー(汗)」

 

そんな願いは虚しく。

 

妻「パパー、ちょっと来てー。」

 

やっぱりきた(汗)

折角の集中モードに入り、エンジンが掛かってきた所だったので、一度は「聞こえないフリ」をしてみた。

 

だが、再び。

少し声のボリュームを上げた妻の声。

 

妻「パパ、聞こえてるー?」

 

長島(の心の声)in 書斎

「これ以上、聞こえていないフリは無理だな・・・」

「(本当は気付いていたが、)ごめん。気づかなかったよ。どうしたの?」

 

妻「かくかく、しかじかで、、、」

 

このような会話はどこの家庭でもあるような日常会話ですよね。

 

妻の言い分は、「どちらかにしないと全てが中途半端になってしまうし、折角立てた楽しい計画も半減してしまうから、どちらかにしたら?」と伝えたい様子。

 

でも、こんな風に冷静には伝えていないようで、、、結局。

 

妻「どっちかにしなさい(怒)!!!!」

 

長島(の心の声)in リビング 「要約し過ぎやろ(笑)」

 

娘を擁護する訳ではありませんが、両方一気に楽しみたいと思う気持ちはよく分かります。

私もよく「トレーニングの勉強もしたい」けど、「解剖の勉強もしたい」と迷うことが多々あるからです。

 

血は争えないですね。。。

 

ですが、、、「二兎を追う者は一兎をも得ず」

一つの物事に集中せず、あちらこちらに気を取られると結局どちらも失敗に終わるという結果になってしまいます。

 

このように、

「結果」を求めるのであれば「どちらかに一極集中」した方が良い場合ありますよね。

 

例えば、治療でも同じことが言えます。

「マッサージも必要」「筋力トレーニングも必要」「ストレッチも必要」、、、少ない時間の中であれこれ詰め込んでしまった結果、あまり変化が無かった経験はありませんか?

 

冷静に考えると、このような治療では「結果」に繋がらない事は、誰もが理解している事と思います。

 

ですが、意識していないと、このような「詰め込み治療」に陥ってしまいかねません。

#結果を出すための選択

では、痛みを取ることが「結果」である場合を考えてみましょう。

 

皆さんは痛みを取ろうとする際、どんな事を考えますか?

 

運動連鎖を考慮し、負担軽減を図りますか?

 

それとも、、、

筋膜の繋がりを考慮し、全身の筋膜調整を図りますか?

 

はたまた、、、

なんとなくマッサージしてますか?

 

これら全て共通して

何かしらの手技をやることで「結果(=痛みをとる)」を出そうとしていますよね。

ですが、この場合大事な前提条件があります。

 

それは、、、

「アプローチすることで、結果が出せる状態であること」です。

 

もう少し説明しますね。

「今訴えている痛みは、組織損傷が無い状態だな。」

「であれば、何かしらの関節への負担が痛みの原因だから運動連鎖の視点からアプローチをしよう!」と言ったプロセスを踏んでいるはずですよね。

 

でも、もしこの痛みが「組織損傷」だとしたら?

 

同じようにマッサージしますか?

運動連鎖からアプローチしますか?

筋膜調整しますか?と言う話なんですよね。

 

普段の臨床には同じ痛みでも

「今すぐ解決できる痛み」と「今は解決できない痛み」の大きく2つの痛みがあるんです。

#2つの痛み

簡単に言うと

「今すぐ解決できる痛み」=組織損傷が無い

 

「今は解決できない痛み」=組織損傷がある

 

この判断が、私たち治療家にとって非常に重要になります。

なぜなら、私達が解決できるのは「組織損傷が無い場合」のみだからです。

 

もし「組織損傷がある」場合に痛みを取ることが出来るとしたら、あなたは「神の手」と言われること間違いなし!

 

ですが、実際は有りえない話です(笑)

ちなみに巷で「神の手」と呼ばれる方は、この判断が秀逸なんです。「結果」を出せる状態でないとアプローチをしていない。この話を聞いて非常に合点がいきました。

#やらない勇気

つまり、やらない事も選択肢の一つ。

 

例えば、包丁で指を切って、今すぐ治ることなんてことありえませんよね?

指が切れたら、2−3日待ってれば自然と治るじゃないですか。

この場合は「皮膚」が損傷したから「痛い」んですよね。

 

「当たり前じゃないか!!」と一蹴されるかもしれませんが、

この当たり前が本当に出来ていますか?

 

痛みの原因が「組織損傷」であれば

「きちんと痛んでいる組織を特定しましょうよ」となるんですよね。

 

決して「〇〇関節が、、」という曖昧な事ではなく。

 

「靭帯かな?、いや筋肉かもしれない、、、もしかすると滑液包かも!」

 

と言った具合に「組織レベル」での組織鑑別がとても重要。

 

そうすれば、「今すぐ解決できる痛み」と「今は解決できない痛み」を判断できるようになります。この判断がつくだけでも臨床の結果って変わると思いませんか?

 

もし「組織損傷がある」のであれば「やらない勇気」をもって下さい。

そして、「組織の治癒期間」に目を向けて「いつアプローチすれば結果に繋がるか?」を考えてると次なる一手が見えてくるでしょう。

 

「やらない勇気」をもって、積極的に「やらない選択」をすること。

それが結果に繋がる選択にもなるのです。

 

PS

決して名著「嫌われる勇気」に感化された訳じゃありません。

 

PPS

結局、娘はプールに行く事を選択し、ご機嫌で帰ってきました(笑)

 


この記事を書いた人

長島 将太

長島 将太

理学療法士。JADMT認定 徒手療法士。プロの選手からインカレ・インターハイ選手など数多くトップアスリートを診てきている。また、オランダ徒手療法ではチーフ講師として本物の医療を伝えるために後進の育成にも余念のない。サーフィンをこよなく愛する2児の父。

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