日本オランダ徒手療法協会

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リハビリが目指すは総合医!

2018.07.25


from 杉山貴規 広尾オフィス

 

「うわ痛い!」

 

卵焼きをほうばっていた息子が急に叫んだ。

 

杉山「どうした?」

 

息子「唇がしみる。痛い」

 

見ると

唇に発疹があり少し化膿。それが食事中に当たってしみて痛がっていた。

 

ネットで調べると『口唇ヘルペス』と書いてあった。

 

しばらくすると治るとの書いてあったが、うちの息子は昔から少しのことでも大ごとになっていたので、ここはすぐに病院を探した。

 

でも、今は三連休のど真ん中。

 

どこもやっていないよなーと

 

ダメ元でリサーチ

 

するとありがたいことに2件引っかかった。

 

2件とも個人病院だったが一つは、皮膚科の病院、

 

もう一つは整形外科・内科・外科・皮膚科…総合医

 

なっじゃそりゃ?

 

一人のドクターが全ての科を診ている???

 

皮膚科に直行するが、予約制で受診は難しいと言われた。

 

しょうがなく、先ほどの総合医へ行った。

 

いくとやはり混んでいる様子はなかった。

 

杉山「やばいところに来ちゃったかな?」

 

すぐに呼ばれて先生に事情を説明

 

自分も医療業種で働いて来たから、ドクターの良し悪しはわかる。

 

問診を開始

 

ドクター「どうしたんですか?」

 

杉山「実は、かくかくしかじかで…」

 

ドクター「そうなんですね。では今までの病気と体調を崩す頻度、あと食事、睡眠時間を教えてください」

 

杉山「かくかくしかじかで…」

 

その後も

ドクター「何か、今年に入って変わったことは?」「家族構成は?」「家族で病気をしている人はいるのか?」…

 

ものすごい時間の問診ののち、触診、聴診、などをされて終了。いきなり施術はしなかった。

 

5分診療なんていわれている昨今、ここではだいたい30分くらい受診したかも。

 

結果は口唇ヘルペス

 

なんだと思うかもしれないが、多岐にわたる問診とそのほかの診療で原因が環境によるストレス、疲労との診断だった。

実は今年から息子の環境も変わり、1週間のスケジュールが多忙になった。

 

それが引き金で、唇に発疹という形で出たとのことだった。環境変化のストレス反応により交感神経優位の自律神経バランスが崩れて、免疫力が弱ってしまったところで、潜伏していたヘルペス菌の活動が活発になった…という解釈でした。

 

ちなみに口唇ヘルペスは一度でも感染すると、完治することはなく、死ぬまで再発を繰り返すことになります。

 

・・・

 

ドクター「休息をじっくりとって、ビタミンや野菜をたくさん摂るようにしてください」「薬も出しておきますが強い薬じゃなくて、弱い薬を出しておきますね。

 

杉山「なぜですか?」

 

ドクター「今後息子さんが、このようなことになっても本来ある免疫能力でよくなるようにしたいので。」

 

杉山「あっ、ありがとうございます」

 

圧巻だった。

 

凄まじい問診の量と的確な原因究明、そして何より今後の息子のことを考えてくれる治療方針に

 

少し疑った自分が情けなかった。

少ない情報がアンハッピーへ

病院や治療院で患者さんを相手にする場合、時間の制約からすぐにその人の状態を診て、施術に入ることが多い。

 

自分も時間がないときはそうしてしまうことがある。

 

でも、そういう時に限って、いい治療はできないし、いい結果もついてこない。

腰痛なんかいい例かもしれな。

 

腰に痛みがあるとの訴えで、現在のことばかり問診しているとやはり腰痛だと思う。

それを腰痛だからと思い込んで評価する。でも、なかなか組織が損傷しているところが明確できない。時間も残りわずか、筋筋膜性腰痛と判断し治療するものの、結果が出ずに終了。

 

その後よくよく既往歴、生活歴などを聴いていると過去に腰椎の圧迫骨折があったことがわかる。

 

この時点でレッドフラッグかも?しれないと判断できる。

 

つまりだ。

 

腰痛かと思いきや実は新たな骨折の可能性が秘めていることに気がつかないといけない。

 

情報収集をしっかり行えば、ここでの治療介入は避けて、もう一度受診を勧めることが最良の選択。特にドクターのいない治療院や訪問リハビリでは特にこのような技術が必要。

 

お客さん・患者さんもハッピーになれない。

 

この悪循環が生まれる。

 

しかし、状態を診ることはもちろんだが、その人の現状や過去のこと、環境の問題など多岐にわたる情報を聞き出し、自分なりの仮説を立てることができたときは、上記の結果とは真逆になる。

 

つまり、情報を聞き出し、問題を抽出、そこから解決策を考える過程こそ医療にとってとても大事である。

 

いきなり施術。簡単な診断での薬の処方などで効果が出ることもある。

 

しかし、情報を聞き出していないぶん、その後経過がどのようになっていくことは不明なこともあり、リスクがつきまとうこともある。

 

だからこそ、十分な情報の聴取は重要なのである。

 

今回、いつも自分がお客さんにやっていることを、このドクターがやっているのを診て、改めて問診のすごさを感じた。

 

その後、息子の発疹は軽減してきている。

 

P.S.

専門家もすごいとは思うが、『カラダ』をトータルで診て診断・治療していく総合医は自分にとって、いい目標になった。

 


この記事を書いた人

杉山 貴規

杉山貴規

理学療法士。【JADMT公認】オランダ徒手療法士。整形外科、訪問リハを経験。10代のスポーツ選手の施術が得意。Jリーグ相模原U-18トレーナー担当。海外も含め、年間70回以上の試合帯同もこなす一児の父。

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