日本オランダ徒手療法協会

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【動画】大会前、大会中のリハ戦略

2018.06.27

from 土屋潤二 広尾オフィス

こんにちは。

オランダ徒手療法協会代表(DMT)の土屋です。

 

 

今日は、我がオランダ徒手療法協会オフィスの最上階で撮影しております。

 

みなさん、ワールドカップで寝不足になっていませんか?

 

ドイツがメキシコに敗れるという大波乱。

ブラジルもアルゼンチンも格下のチームにまさかの引き分け。。。

 

強豪国がことごとく、苦戦を強いられていますよね。

 

予想していたとはいえ、こんなにピッタリ当たるとは思いませんでした。

 

ドイツ辺りの大国は、予選にピークを持ってこないんですよ。

1ヶ月もピークパフォーマンスを維持することはできないからです。

やはり、トーナメント以降、特にベスト8に力を入れてくる、と予想します。

先発?ベンチ入り?それとも離脱?

さて、

本日は、大会前、大会中のリハ戦略についてお話したいと思います。

トレーナーの方、リハビリ、スポーツ関係の方にとっては、ノウハウの一つですよね。

 

現在、岡ちゃん(岡崎選手)が膝を痛めて出場するのか、離脱するのか、と報道されています。

試合開始まで24時間をきりましたが、メンバーには入っていますね。

つまり、交代はしない、ということです。

(間違いでしたら申し訳ありません。ご自分で確認してみてください)

 

なぜそのような選択をしたのでしょうか?参考になるかもしれません。

 

 

大会期間中を通して、

あるいは、大会前直前に怪我をした場合、どんなふうにリハビリしていくか、考えていきます。

 

 

通常、大会前に怪我をし、リハビリケアをして間に合えば、そのまま大会へ参加できるわけです。

しかし、大会が迫ったときに怪我をしてしまった場合は、どのようにリハビリケアをしていけばいいのでしょうか?

 

 

まずは、通常の戦略にについて。

治癒経過を考えるスタンダード戦略

「組織損傷に関してできる限り早く」と表現しがちですが、そうではなくて、

 

治癒経過を阻害する要因がたくさんあるので、

理論上の理想治癒スピードをいかに作るか、が重要になります。

 

 

想像してみてください。

 

感染の経路を探るとき、

ウイルスのシャーレに、バーと細菌が糖分のエネルギーを使って増えていく、

培養させるとき、または、かびが増えるイメージを。

 

組織損傷した局所に、どれだけ循環よく栄養供給、あるいは老廃物を排出できる状況を作るか。

 

治癒過程の理想上のスピードまで持っていける、

それ以外は魔法ではありえません。

 

 

そういう意味では、どれだけ環境を整えるかを最大目標としてやっていきますから、

 

チームや帯同してる他のスケジュールではなく、

治療する選手にあわせたスケジュールを組むべきなんです。

 

日本代表のメディカル・リハビリ戦略は??

日本代表の集まりで、岡崎選手はリハビリで歩いている姿を撮影されていました。

実際のところ、その時間帯でその活動をしなくてはいけないかは、ちょっと微妙ですよね。

 

 

治そうとした選手の治癒過程を、阻害する要因をできるだけ取り除くことが大切です。

早く治そうというのでしたら、

1日に1回というだけではなく、朝晩、朝昼晩、四六時中環境をよくすることに特化していく、

そういった戦略を立てていって、間に合うかどうか。

 

組織が損傷した後に、

サッカーならサッカーの抵抗力を戻さないといけないのです。

 

現場で行われていることは、それが間に合わないのでテーピングなどでで固定する方法です。

 

もう一つはチーム事情について。

 

今回はおそらく、

大会の1戦目には間に合わなくても、2戦目、3戦目以降に起用する、

あるいは、予選に間に合わなくても、決勝トーナメントで起用しようか、

という考えで一生懸命リハビリしていると思います。

 

 

代表のトレーナーは横浜マリノスで一緒に仕事をしていましたため、

どのようなことをやられているかは、だいたい予想できます。

周りのスタッフの腕にかかってきますので、

ぜひやり遂げて欲しいと思います。

 

さて、ここまでは

90分の試合の中で、選手がフィールドルールに対して動けるように戻すための通常戦略です。

 

 

次は、スペシャル戦略ですね!

チームを考えたスペシャルなリハビリ戦略

私が過去トレーナーでついたチームで、「全国社会人大会」に参加したチームがあります。

3戦試合をして、一旦休んで、また3戦するという、ワールドカップと同じか、休息日などない大会なので、ワールドカップ以上の過密スケジュールで行われていました。

 

 

後半戦が大事という点でも、ワールドカップの変則版ですね。

予選4チームでリーグ戦を行い、本番は4チームで再びリーグ戦を競います。

 

こういった時に、大会前に間に合わないケースがあります。

 

大会前に怪我をして、スペシャルな方法で別メニューを、

食事から何から違うリハビリに特化したプログラムを組みます。

 

結果、彼は3戦目に間に合いました。

我慢して、我慢して、約2週間リハビリを行いました。

 

原因はハムストリングスの肉離れでした。

かなり痛がっていた記憶が残っています。

2、3度の損傷があって、下手をしたら回復まで1ヶ月以上かかると思っていました。

 

が、MRIを撮影してもらったところ、「全く損傷がない」ということでした。

私自身もその画像を確認しました。

 

そのドクターの言葉を信じて、

物療をしながら、動かしたり、走らせたり、交代浴をやったりと、

色々なリハビリをして間に合わせたのです!!

 

そのようなことをやっていた中で、これから話す内容は大会中の受傷した選手の話です。確認しますが、大会中です。

大会中の1日目、1試合目に肉離れをしたバックスの選手の場合。

 

彼の場合は、大会中に、今からリハビリに入るのだから、普通だったら、全くもって間に合わない

 

ただ彼はヘディングに強い選手だった。

 

90分は走れないし、全力のスプリントもできない…

順位を決める、リーグの昇格を狙ったような試合なので、

ヘディング要員として

 

ハムストリングスの肉離れだったんですが、

ダッシュはできないけど、ジャンプは大丈夫!

 

実際、リハビリの際に高いボールでもジャンプしてできたんです。

選手本人に確認し、自分自身の目で確認し、監督に進言して、

ヘディング要員として残り10分、という起用の仕方

 

90分は想定していない

短い普通の交代要員で、ボールを追いかけてディフェンスをするとか、

スプリントをしてゴール前に駆け込むこともできない

本当に単なるヘディング要員として、

リハビリをしっかり、スペシャルな戦略として完結しよう

そういう選手もいるんです。

 

これはあくまでも特別な、チーム事情に合わせた戦略

こういう考えでも成果を出していける

 

長期間でしっかり行うリハビリもありますが、

ニーズに合わせた

チーム事情、選手本人の要望(例えば、痛くても動きたい)

さらに大会という時間制限もあります。

 

その中で、どんなことができるか?

 

もちろん怪我をする前の100パーセントの状態に戻すことが理想ですが、

様々な制約があり、それができないとき、

どんな方法でパフォーマンスを違う箇所であげるか、

そのような戦略を立てて行くのも、

 

我々フィジカル、メディカルの従事者の仕事ではないでしょうか。

 

引き続き、W杯、スポーツ関連の話題を提供していきます。

よろしくお願いします!

動画で詳しく知りたい

関連動画

【チームのピークパフォーマンスはいつ?〜2018W杯の各国諸事情〜】

 

 


この記事を書いた人

土屋 潤二

土屋 潤二

初のオランダ国家医療資格である「徒手療法士」。サッカー界に明るく、筑波大、オランダサッカー協会のインターン、サッカーの名門フェイエノールト・ロッテルダム、Jクラブの名古屋グランパスや横浜Fマリノス、SC相模原、陸上ホッケー女子日本代表、プロゴルフなどに関与。国内外のアスリートやチームをサポートし続けるスポーツサイエンティストとの顔を持つ「医療」と「体力トレーニング」との2分野での専門家。

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