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グロインペインの選手を救う組織鑑別のススメ

2018.01.23

サッカーや自転車競技など股関節周囲使う競技に多く発生するグロインペイン

 

痛みの箇所が様々でどこから手をつけていいのかわかりませんよね。

 

ではなぜそこまで、苦戦してしまうのでしょうか?

 

それは一つは疾患名に問題があると考えます。

 

グロインペイン=グロインペイン症候群=鼠蹊部痛症候群

 

症候群なんですよね。

つまり、原因不明で共通の病態が起こることなんです。

 

これこそが、完全治癒に向かわない理由の一つです。

 

診断名の束縛

グロインペイン症候群や鼠蹊部痛症候群などの診断名が原因で完全治癒に向かわないのでしょうか?

 

それは、セラピスト自身が組織間別を行わないのが原因なのです。

 

上記の診断名だけでなく、捻挫、肉離れや関節痛など全てにおいてです。

診断名をドクターがつけた時点でセラピストは何の疑問を持たずに治療を開始してしまうからです。

 

捻挫に関しては靭帯の他にどこか損傷している箇所はないのかを探る必要性があります。

細かいことを言えば、筋膜、関節包、皮膚、神経や骨など本当に損傷していないのかもう一度確認する必要があります。

捻挫はほとんどのドクターが靭帯名を入れた診断名をつけてくれます。しかし、今回あげたグロインペインはどうでしょうか?

 

症候群です。

 

原因が不明で痛みの範囲が広範囲。

 

組織間別は必須のはずです。

 

しかし、多くのセラピストはその症候群をネットや文献でリサーチし、一発で治癒する『青い鳥探し』をし手当たり次第、広範囲にわたり治療しだします。

 

しかも、調べても原因不明と記してある文献がほとんどですから、手探り状態です。

 

こんな状態で治療介入しても、治らないのは至極当然です。

 

痛みをとることばかりに奮闘するのですから…

 

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

組織間別の重要性

その答えは簡単です。

自分でも診断を試みるのです。

 

組織間別をするのです。

 

グロインペインは以下の部位に痛みを生じています。

日本整形外科学会のHPを見ても、どの組織が損傷しているとは明記されていません。(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/groin_pain.html)

 

しかし、大体は以下の組織のどこかに何らかの問題が生じています。

 

・筋肉(股関節周囲筋・殿部筋・腹部筋など)
・筋膜
・靭帯(腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯・大腿骨頭靭帯・寛骨臼横靭帯・輪帯)
・関節包
・軟骨(恥骨結合部の関節円板・関節唇・関節軟骨)
・神経(大腿神経・閉鎖神経など)
・皮膚
・血管(腹大動脈・総腸骨動脈・外/内腸骨動脈・大腿動脈など)
・骨(大腿骨骨頭・腸骨など)

 

しかし、これだけでは何もわかりません。

 

以下の情報を聞き出す必要性があります。

 

・現在の状態
・痛みの経過・既往歴
・スポーツの頻度
・運動連鎖
・心的な要因

 

これらをトータルで見て、仮説立てを行い

 

組織間別を明確化していきます。

 

そしてより明確化するために、評価を行います。

そうすれば、自ずと道は拓けてきます。

グロインペインの自転車レーサー

私が見たクライアントを例にお話しします。

 

例)30代男性
・ドクターからグロインペインとの診断
・本人の都合から1ヶ月後にリハビリを開始、その間も練習は続け痛みは増悪 
・2ヶ月前から右の股関節の奥とスカルパ三角付近に痛みが出る
・毎回痛みが出るのは自転車の乗り降り時の片足に荷重がかかった時のみ
・力を入れても痛みは出ない
・自転車を乗っている時は大丈夫
・ストレッチをしても痛みは出ない
・練習時間は毎日3時間、50kmを走りこむ
・立位アライメントは問題ない
・ストレスは常にあり(睡眠不足・食欲不振など)

 

ここから考えると組織間別は何か出てくると思います。

 

伸張時、収縮時痛や運動時痛はないので、筋肉や靭帯の問題はなさそうである。

痛みが出るのは、自転車の乗り降りの時と考えると…

組織間別は

骨もしくは軟骨

 

臼蓋の骨挫傷か関節唇損傷の疑いがあるのではないかと考え、一度ドクターに話を持っていき、
MRIを撮影

 

結果 
臼蓋部の骨挫傷と判明

これは稀なケースですが、グロインペインの診断が骨挫傷の診断に変化したのです。

 

受診時の診断はおそらくグロインペインとの診断は間違いではないはずです。しかし、どの組織損傷かは明確化されず、加えてリハビリに来たのが1ヶ月後。痛みがさらに増悪…

 

組織が明確に分かって入れば、その時の対応も変わっていたはずです。

 

一般的な軟部組織や筋肉に対するストレッチ・筋膜リリース・マッサージ・運動療法などでは治らないのは必然です。

 

その後、このクライアントには練習の負荷量の設定やトレーニング方法など事細かにレクチャーし、復帰に持っていきました。

 

時間はかかったものの、組織間別がはっきりできていたので、自分の立てたスケジュール通りになり、クライアントも満足していました。

まとめ

 

このように、組織間別をセラピスト自身が行うことで、組織の治癒期間を逆算した治療プログラムの立案が可能になりますし、レッドフラッグの発見にも可能になります。

 

どの疾患もそうですが、診断はあくまでも診断です。

 

どの組織が損傷しているかはセラピスト自身が必ず確認し、ゴールから逆算したプログラムを立てることが重要できます。

 

組織間別の重要性は理解できたと思います。

 

すぐにでもトライしていただき、結果の出る臨床を目指してください。

 

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