blog

慢性期疾患に対するアプローチ

2017.10.05

こんにちは、オランダ徒手療法協会の杉山です。

ここのところ急に気温が低くなってきましたね。
少しずつ、紅葉も迎えているところも出てきたのではないのでしょうか?

 

こんな季節の変わり目にひく風邪は長引きますよね。
皆さんも体調には気をつけてください。

 

今回は「長引く〜」というところから

 

「慢性〜」にクローズアップしてお話ししていきたいと思います。

 

慢性的に腰が痛い、慢性的に肩がこるの他に、受傷した怪我の痛みが数ヶ月経っても取れないのも慢性ですね。

 

諦めかけた慢性疾患

慢性疾患を皆さんは諦めのように感じることがありませんか?

 

私はそうでした。

 

来る日も来る日も、同じ訴え、同じ症状、ドクターからも「○○さんは慢性的に〜だね」なんてことが、多くありました。

 

運動連鎖や筋骨格系の考え方だけで物事を見ようとすることには、少し限界のようなことを感じていました。なんで、この考え方でよくならないのだろうか?

アライメントを調整して、動作分析をして、筋力が足らない部分に関して筋トレを施し、運動パターンも考え動作訓練もする。それでも一向によくならない。

 

簡単に実力がないのではないかと考えた時期もありました。

 

勉強会も数多く行き、様々な考え方や知識を得てきていました。しかし、慢性疾患と呼ばれる患者様の前だとその実力が発揮されません。

 

いつしか自分の中でドクターの言ったあの言葉を言いそうになりました。

 

「○○さんは慢性的に〜だからね」

 

負けそうな自分がいたことを覚えています。

慢性疾患には太刀打ちできないのでしょうか?

 

いやできるんです。

 

今までの固定観念を捨てること。体は運動連鎖や筋骨格系のみで構成されていないことに気づくことが重要になります。

人間の体は数種類の要素だけで構成されているわけではない!

人間の体は何でできていますか?

 

筋肉・骨だけでしょうか?

 

違います。

 

人間の体は筋肉・骨・皮膚・筋膜・靱帯・腱・血管・内臓器・神経など細胞単位で言えば60億個の細胞で構成されているのです。

 

筋肉・骨格系のみで物事を図ることは難しいのです。

 

自動車で少し考えてみましょう。

 

例えば車が全く動かなくなりました。

車の整備をする人はどこを見るのでしょうか?

あたりをつけて見るとは思いますが、全ての要素を考えて見ていきます。

エンジン・タイヤ・フレーム・シャフト・ホイール・電気系統などなどです。

 

決してフレーム・シャフト・タイヤだけを見ることはありませんよね。全てを見て考えて、どこが不具合なのかを考えていきます。

 

人間の体もそうです。

決して一つの事柄で考えてはいけないと思います。

では、慢性疾患に関してどのようにアプローチしていくのか?

慢性疾患に対しての神経生理学的アプローチ

まず、人間の体を動かすために指令を送っている配線はどこでしょうか?

末梢神経ですよね。

 

末梢神経は脊柱から四肢に向けて伸びています。ここの線が不具合を起こしていると人間の体は動きづらくなります。

また、栄養血管も四肢に向かって伸びていますので、脊柱に異変がある場合は四肢の感覚や運動に弊害を多くもたらします。

 

下記の図をご覧ください。


 

このように、脊柱から身体中に神経が伸びており、感覚や運動を支配しているのです。

 

そう考えると、

 

筋や骨格系だけにアプローチしても、配線に不具合が起こっていれば、その症状は良くなることは難しいと考えます。

 

皆さんはどう思いますか?

 

言われてみればそうだな。と思うのではないのでしょうか

 

実際の例を挙げてみていきましょう

突き指をして慢性的に痛みが取れないクライアント

この方は、数ヶ月前に小指を突き指、未だに痛みが取れず慢性化していました。

 

そこで私が行ったことは

 

①問診
・現状の把握(小指のどこが痛いのか?組織は何か?)
・今までの経過(小指以外に怪我をしたことがないか?)
・生活の状況(指にどれだけの負担がかかっているかを見つける)
・精神的なこと(心的な要因はないか?)
・運動連鎖(様々な動作の姿勢)
②仮説作成
③復帰時期の決定
④アプローチ(脊柱・物療・カウンセリング)

 

上記の①〜④を行い疼痛が寛解、その後の生活でも何不自由なく生活を送られています。

 

この方は気持ちの面においても痛みが続いていたことにより不安定になっており、自律神経機能が低下、そのため神経機能と血液による栄養の分配が低下していたことで痛みが生じていた。

そこで、上記アプローチを行うことで結果が出ました。

 

慢性的な疾患だと思っていたら、実はそうではなく脊柱に問題があり、小指が痛くなっていたことが判明したのです。

まとめ

このように、慢性疾患は慢性だと思っていても、固定観念による治療介入で自分で限界を作って慢性疾患の患者さんを作っていたことになるのです。

 

これに関しては過去の自分を大いに反省しなければなりません。

 

決して慢性疾患は治らない疾患ではありません。少し見方を変えて、見ることで結果が出てきます。
少しだけ、考えを変えて多角的な視点でものをみることで結果は大きく変化します。

 

是非一緒に学び、クライアントの笑顔を増やしていきましょう!!


この記事を書いた人

杉山 貴規

杉山貴規

理学療法士。病院から訪問リハまで経験し、一般の方からスポーツ選手まで幅広い疾患の治療経験をもつ。その人にあった治療方法と復帰までの道筋を一緒に提案できるように日々心掛けています。