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大腿骨頸部骨折リハビリの再考

2017.09.22

こんにちは

オランダ徒手療法協会の杉山です。

 

私は現在、訪問リハの現場にいるのですが、大腿骨頸部骨折の既往を持っている方は本当に多いですよね。単独で持っている人もいますが、皆さん何かしら別の疾患を持っている方が多いです。

私が経験する中でダントツに多い合併症が、内部障害で次いで、整形分野に限って言うと胸腰椎部の圧迫骨折が圧倒的に多いです。

 

この大腿骨頸部骨折、胸腰椎部の圧迫骨折と橈骨遠位端骨折は高齢者の転倒事故で8割以上がこの疾患で占められています。

 

そんな、割合の多い疾患に関してなぜ、お話しするかというと、リハビリに携わる人間なら大腿骨頚部骨折を多く見ていると思います。そして、この疾患はなぜか、リハビリで病院で働き始めると新人に早期に渡されることが多いのです。

 

なぜなのでしょうか?

 

おそらく、リスク管理上の問題は手術後の禁忌肢位で、そこを気をつければ、荷重制限や生活動作が早期より観察し、アプローチできる疾患だからと考えます。

 

とは言っても、すべての新人の先生方が上手にできるわけではありません。この違いはなんでしょうか?経験年数が上がれば上がるほど、ゴール設定が見越せるので、治療介入が上手く、スムーズに行うことができ、クライアントのADLやQOLも向上します。でも、うまくいかない場合もあります。

 

リハビリが経過が良好いった時ときと良好いかなった時の差はなんなのでしょうか?

 

自分の実力?患者さんの個体差?モチベーション?環境?家族?内在する既往歴の問題?
様々考えれます。

 

というわけで、今回はオランダ徒手療法からみた、大腿骨頸部骨折のリハビリについて、お話したいと思います。

 

プロトコールの鵜呑みが問題に

新人や経験年数の浅い治療者だと、当たり前であるがプロトコールに従ってリハビリを進める。当然のことながらうまく行く場合だけではない。これは、経験を積めば積むほど修正ができるのであるが、経験年数が浅いとかなり難しい。

 

ではなんでこのようなことが起こってしまうのか?

 

プロトコールは間違ってはいないと思う。しかし、プロトコールありきで全て行うと大変なことになってしまう。

 

何が足りなかったのか?

患部の組織治癒期間の把握

患部の組織の治癒期間を深く考えていないことが考えられます。

プロトコールがあると、そこまで考える必要がなかったのでしょうか?

 

手術をした場合、骨は当然のこと、皮膚、筋肉、筋膜などの軟部組織の治癒期間を意識していたかどうかである。

 

これをしっかりと把握できていれば、組織の治癒という面においてはスケジュールが立てられたと考える。個人差があるのだからそこを考慮に入れながら、ドクターともしっかりと話す事が出来たはずだ。
この治癒期間の把握ができると次の抵抗力と負荷量の関係になってくる。

抵抗力と負荷量の関係

この協会の記事やブログではおなじみのフレーズである。
ではなぜこの考えが必要なのか?

 

プロトコール通り、愛護的に可動域訓練、痛みのない範囲で筋力訓練そして起立、歩行訓練を実施。。。

 

いいとは思う。その人に当てはまれば。

 

でもいつから、どのくらいの負荷量で行なっていけばいいのであろうか?

 

それは、限界ギリギリのところである。
下図にもあるように、限界をオーバーしたり、弱すぎても、筋力や可動域は上がってこない。

これを読んでいる大半の人がそんな事当たり前だろうと思っているのではないだろうか?
しかし、その当たり前を意識してリハビリを行っていた先生は少ないと考える。この考えは、当たり前だからこそ、あまり考えていない事だろうと考える。

筋力訓練と運動パターン

筋力訓練に関して皆さんはどう考えているのだろうか?この疾患で当たり前のように訓練するのが、中殿筋と大殿筋である。もちろん他にもあるが、この二つが有名である。

 

この2つの筋は股関節の安定性と動作時に重要になってくる。
しかし、こんなことはないだろうか?

リハビリで2部位の筋肉に対して運動療法を施すが、立位・歩行の不安定や歩行時にうまく歩けないなど多く経験していると思う。

 

なぜなのか?

 

例えばすごく古い自動車を運転していて、エンジンが壊れたとする。そこで新しいエンジンを入れるとどうなるのか?

・運転にすると違和感がある
・初速がいつもと違う

人間の体もそうである。

今までの筋肉を鍛えることで、使える幅や動きが変化することで以前の運動がやりづらくなる。だからこそ、筋力訓練や可動域訓練などしたあとは、全体で運動をすることが必要で運動パターンのズレなどを確認する必要が出てきます。

 

つまり、筋力訓練をしても、使えないと意味がなくなります。

 

このように、運動パターンのズレが動作において難しくしてることがあるので、このようなことがあった場合は必ず、運動の動作・パターンを一個一個確認してリハビリを継続していくほうがいいと思います。

 

だからこそ、プロトコールのように何週目に歩けて退院ではなく、その人にあった計画を建てて、受傷する前の状態に近づけていく必要性があります。

 

まだまだ、お話ししたいことは数多くありますが、運動パターンに関してはとても重要なことなので、そのクライアントの生活、趣味、仕事やスポーツなど特殊な動きが入ってくるものに関してはしっかりと把握し、その人の運動パターンで筋肉が使えるかどうかの確認をしていくのである。

まとめ

一つの疾患に一つのプロトコールはあってもいいのかもしれない。

誰もが同じことをやれば、大筋は間違っていないのだから。

しかし、
クライアントは十人十色であるのだから、
一人のクライアントのための一つのプロトコールがなければならない。

 

ここまでが、運動パターンから見た、大腿骨頸部骨折の内容である。

 

これの考えを知っていれば、プロトコールから外れた時にどのように修正していけばいいのかが理解できたと思う。

是非、明日の臨床から活かしてみてください。より多くのクライアントの笑顔を増やしていきましょう!