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【特別公開】月刊スポーツメディスン  連載「抵抗力vs負荷バランス」を理解する

 

リハビリで「結果」をだせていますか?

 

推定ですが現在リハビリ難民は、264万人いると推測されています。

自由診療まで含めると、ドクターショッピングのように良くならないから様々な治療院を転々としている患者の数はすごい数になると考えられます。

 

※リハビリ難民とは?
206年4月の診療報酬改定により疾患ごとに受けるリハビリの日数制限が導入され、リハビリを受けたくても受けることができない患者のこと。心筋梗塞や手足の骨折では150日まで、脳卒中では180日までというような上限。リハビリを受けられないために患者が寝たきりになる可能性が高くなるという社会問題にも発展している。免疫学者で東京大学名誉教授の多田富雄が「朝日新聞」紙上に「リハビリ中止は死の宣告」という投書を寄せたことが共感を呼んで、全国的な抗議運動が起こり44万4000人の署名を集めた。

 

リハビリを受けたくても受けられない、受けたとしても結果が伴わなかったら…。本当であれば再起できたかもしれないのに、運動機能が改善しないために、寝たきりになってしまう人が現実には多くいます。それでいいのでしょうか?

 

オランダでは、原因となっている組織別(筋・靭帯・骨)や原因ごとに保険診療期間を定めますが、日本の150日という保険診療期間にはどのような根拠があるのでしょうか?

 

臨床で結果をだすためには、1度は聞いたことがあったり、考えればすぐわかるようなことを、一歩引いて多角的に捉えるだけで良いのかもしれません。そんな臨床で結果をだすためのヒントとなる、「オランダ徒手療法-臨床で結果をだすために必要な体系的考え方-」(月刊スポーツメディスン 連載記事)を、期間限定で特別に公開をいたします ‼︎ 是非ご一読ください。

 


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月刊スポーツメディスン No.184 10月号 2016年

連載 「抵抗力 vs 負荷バランス」を理解する

-受傷分析、リハビリ後の復帰、再発防止に関してカギとなる-

 

「負荷」と「抵抗力」

疲労骨折や片脚着地時の膝間接過伸展による十字靭帯断裂…など外部から受ける大きな負荷が局所の組織破壊を引き起こしている一方で、受傷後のリハビリを終えスポーツ場面に復帰すると再受傷してしまう場面があります。いずれのケースも、局所に加わる「負荷」やそれを受け止める「抵抗力」が考えるカギとなります。以下、T:土屋潤二、S:生徒で示し、対話形式で、オランダ徒手療法の考え方を示していきます。

 

アライメントと局所の負荷

T:では、まず抵抗力の話をしましょう。その前に、膝に着目して、たとえば膝を曲げた時や着地時に少しユラッと揺れることがあっても、膝間接の周りにある靭帯や関節包など軟部組織自体に適度な張力があるので、アライメントが整った下肢であれば、基本的には姿勢を維持できます。

 

そのような動的なきれいなアライメントであれば、局所で疼痛が出現したりすることはないですね。では、アライメントがすごく崩れてしまっている場合、たとえばO脚の場合は、膝の内側ではどんなことが起こっているでしょうか?

 

S:内側では…圧迫される?

 

T:何が圧迫されますか?

 

S:えっと…半月板?

 

T:そう!半月板や関節表面にある軟骨などは関節包内にあります。骨と骨とに挟まれる組織ですから、挟まれて圧迫されますね。それでは、内側の骨のまわりの関節包はどうなりますか?

 

S:距離が近づくので緩む?

 

T:正解!距離が縮まりますので、ゆるゆるになってしまいますね。では、外則はどのようになっているのでしょうか?

 

S:内側とは反対に、外則では関節包が伸ばされていて、関節のすき間が広がり、そこでは圧迫がない状態ですか?

 

T:そうですね。関節包はものすごく伸ばされていて、関節間はスペースが広がっていますね。では、このような状態(図1)が常にあったとしたら、内側にはどのような影響があるでしょうか?

 

 

S:半月板には圧縮ストレスがかかります。

 

T:それはいいことですか?

 

S:よくないです。

 

T:よくないですよね。関節内は毛細血管による血液供給は少ない組織環境です。そういった環境では、細胞まわりに酸素と栄養を供給するには、細胞と細胞との間に存在する間質液をなんとかしてよく循環させる必要があります。

 

循環をよくするスポンジ効果

T:間質液自体を流動させるには「スポンジ効果」(図2)を利用します。想像してください。スポンジに数滴落とした洗剤は、そのままではスポンジ全体に洗剤が広がることはありません。そこで皆さんが無意識にすることは、スポンジ全体になじませるために、スポンジを何度かモミモミしませんか?

 

そうすることで、スポンジの空間全体に洗剤が広がります。細胞のまわりの間質液も流動させるには、原理は同じです。

大切なことは、必ず「圧縮↑」と「減圧↓」というものがなければいけません。

 

実はこの「スポンジ効果」はカラダを動かせば必ず、

・局所で圧迫や伸張による「圧縮↑」

・緊張がなくなる「減圧↓」

とが交互に行われ、自動で間質液が動いてくれます。軟骨や靭帯、腱、半月板…など毛細血管の発達していない局所での循環には、運動をすることにより間質液を動かす「スポンジ効果」が必要不可欠なのです。

 

動けば、どんどん間質液の循環は良くなっていくのだけれども、寝たままで、動かないどころか圧縮しっぱなしの間質液循環不良が長期間続くと組織が一部壊死し、いわゆる「床ずれ」になります。「床ずれ」は「スポンジ効果」が効かなかった例です。

 

 

S:「床ずれ」以外にも、スポンジ効果が悪かったことによる症例はありますか?

 

T:たとえば、お皿(膝蓋骨)が痛いというケースで良くある原因を思い浮かべてみてください。もし過度のトレーニングなどで大腿四頭筋の緊張が高く、柔軟性も低くなってしまったら、膝の屈曲時に短く硬い大腿四頭筋にお皿(膝蓋骨)が引っ張られてしまいますね。結果として、膝蓋骨が大腿骨に押しつけられてしまいます。

 

膝関節の軽度の屈曲時であれば通常、押しつける力は大した力ではありません。また、膝蓋骨の裏の軟骨が十分に厚いため痛みが生じることもありません。軟骨には痛覚の感覚神経がほとんどないから痛くないのです。しかし、ずっと圧迫されることにより循環が悪くなり、軟骨と水との結合が減少し軟骨が薄くなっていきます。

 

そういう状況では、クッションとして圧力の力を受けていた軟骨が要をなさなくなり、圧力の力が直接、関節表面の骨を刺激します。骨の表面には、軟骨とは反対に感覚神経の痛覚がたくさんあるため、力の刺激は痛みを生みだしてしまいます。

 

S:それをチェックする方法/検査法はありますか?

 

T:膝蓋骨の軟骨が薄くなってきているかのテストとして、膝蓋骨を横に寄せて直接裏(=関節表面の軟骨)を触ってみたり、膝蓋骨を動かし刺激してみたりというテスト(図3)をすると、薄くなっている場合はものすごく強い痛みを再現できますね。

 

要するに、組織に対して長時間の圧力がかかっていると、圧力を受けている組織では循環環境が制約され、長期間の酸素や栄養が不十分な環境下により、細胞の活性化が落ちるだけではなくタンパク合成ができず、組織が萎縮し、もろくなってしまう…ということです!

 

この状態では、何かしらの障害が生じてしまうリスクは高くなりますね。

 

 

アライメントと時間

T:さて、O脚の膝の外側ではどのような影響が出るでしょうか?

 

S:外則は、関節内には圧縮ストレスがないです…

 

T:圧縮ストレスがないので、関節内はスペースができていてよさそうですね。では、関節包や靭帯などはどんな状態、あるいは何かストレスがかかっているのでしょうか?常に引っ張られ続けてますよ…。

 

S:常に引っ張られ続けているので…圧縮のときと同じで、間質液自体には圧力が加わりっぱなしになり、圧縮と減圧との差で得られるスポンジ効果は低くなりますね。だから、細胞まわりの間質液循環がよくない状態になっている?

 

T:そうですね。ずっと引っ張られていても問題になりますね。普段はアライメントが整っているものが、股関節や足関節の問題で、急に、短時間で普段と違うアライメントになってしまった場合は、外則の軟部組織が伸張されて障害を生じてしまいます。

 

では、O脚の人は問題でしょうか?何年、何十年もかけて徐々に徐々にO脚になった場合を考えてみましょう。そういった人たちは何の問題を訴えているのでしょうか?

 

S:臨床の場面では、あまり痛みの訴えがないような…。むしろ見た目というか、美容的な問題を抱えている女性がいるぐらいです。医療的に訴えることは稀だと思います。

 

T:そうです。訴えないですよね。あるいは逆の場合も同様です。X脚の場合でも、長い時間をかけて徐々にX脚になった場合でも痛みを訴えません。では、なぜ訴える人と訴えない人が出てくるのでしょうか?某サッカー選手はすごく内股で走りますけど、痛みを訴えませんが…(笑)二十何年間もその走り方をしているのに。

 

S:疼痛の閾値が変わっているか…。

 

T:痛みが出るときは、どういうときにでるのでしょうか?どうしたら「アライメントがおかしい」と言えますか?

 

S:軟骨が薄くなっていって…。

 

T:では、街を歩いているO脚 X脚の人はすべて治さないとダメですか?教科書どおりにまっすぐになっていないとダメですか?

 

S:まっすぐの方が効率はいいですが…。

 

T:効率はいいでしょうが、アライメントが崩れていても、痛くなく、意識することなく姿勢の支持や動作が可能なら問題ないですよね?

 

S:たぶん問題はない…と思います。

 

T:いえいえ、長い時間で通常自覚症状がないのであれば、間違いなく問題はないですよ。なぜなら、組織は長い時間をかけて、崩れたアライメントに合わせて、軟部組織の長さも変わり、軟骨や骨などの形状も変わって組織が適合してしまうからです。その結果、曲がった関節の内側と外側とで、ぶつかったり、引っ張られたりしそうな局所は、案外、適合して引っ張られたりするストレスやぶつかって圧縮されるストレスがないものなんですよ。

 

S:長い時間、短い時間を問診以外で見分ける方法はないですか?靭帯の捻挫など組織の破壊があって、腫脹や熱感がある、いわゆる炎症反応がある場合はわかりやすいのですが…

 

T:それは案外簡単です!どうやるかというと、実際に問題があると予測した姿勢や動作をさせて、関節まわりや痛みが出現する部位を直接、触れると硬く張っていて、ストレスが集中している場所や関節の角度がわかります。また、技術があれば、弛緩させた関節を可動内各角度で関節の余裕度(=遊び/Joint  Play)や伸張ストレスを与えた際の硬さなどでチェックできますが、技術の習得が必要です。

 

S:疲労骨折などはどういうふうに考えたらよいでしょうか?

 

T:とてもよい質問ですね!考え方としては、長期間(何ヶ月〜何年)と短期間(一瞬〜数回)の間の中期間(何日間〜何ヶ月)で、組織の破壊は生じないけれど、後で説明しますが、抵抗力の限度を少し超えたストレスで細胞の質的なダメージを連続して受けていると、炎症反応は生じず、抵抗力が落ちていき、終いには一気に組織破壊(=多くの場合、疲労骨折)が生じます。

 

S:疲労骨折を予防するのは難しそうですね。

 

T:異常を、組織破壊をする前にいかに発見するかは、非常に難しいです。このことはまた機会を作って説明したいと思います。

 

抵抗力 VS 負荷

 

S:では、そこを鍛えるにはどうしたらよいですか?

 

T:急性の外傷が生じた場合を考えてみます。急性の場合はまず、急激に限度を超えて力が加わりますから、負荷の強度がとても強い力が短時間で局所の組織を襲うことになります。この力に対して組織側の抗う(あらがう)力ということで、組織の「抵抗力」という話になりますが、組織が絶えることのできる負荷の限度(=抵抗)を超えてしまうと、いきなり痛みを感じるようになってしまいます。特に組織の破壊が生じた場合、痛みを感じる感覚神経に異常な刺激が入りますので、痛みに対する反射で、運動神経はうまく反応しなくなり、炎症反応がはじまってしまいます。

 

この炎症反応でヒトのカラダは、局所の循環を悪くする方向にシフトします。毛細血管の血液供給を減らし、腫脹により間質液自体を動かなくして、酸素と栄養が不足し、繊維化してしまったり、組織間で癒着や組織内で硬結が生じたりします。

 

要するに、急激に変化が起こると痛みが出てしまうが、ゆっくりならば…抵抗力を超えない負荷での変化であれば、組織の破壊もなく、痛みは出ないということです。

 

S:「抵抗力」を高めるにはどうすればよいのでしょうか?

 

…続きが気になる方は、PDFにて全文を閲覧できます。

 

※なお、この文章は編集部の許可を得て掲載しております。

月刊スポーツメディスンについては、下記のサイトを参照ください。

Book House HD

 


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